この記事を読むことで、
・オウンドメディアに動画を活用するべき理由
・実際にオウンドメディアに動画を活用する際のポイント
が分かります!
オウンドメディアが注目されてから少し時間が経過し、新型コロナウイルスの影響で再びスポットライトを浴びています。
また、5Gがいよいよ利用可能な環境下となり、動画の活用が盛んになる中、オウンドメディアに動画を活用する企業や動画のみのオウンドメディアを運営する企業が増えてきました。
株式会社宣伝会議が2020年2~4月に広報担当者100名に聞いたオウンドメディアに関するアンケートによると、34%が「動画を活用している」と回答し、31%が「活用に関心あり」と回答したことがわかりました。
そこで今回は、オウンドメディアの基本的な考え方を整理して、効果的な動画活用方法と動画制作のポイントをご紹介します。
目次
- オウンドメディアで効果をあげるポイント4つ
- 運営目的を明確に
- PVを重視しすぎない
- 編集体制を整える
- 記事をアップすることを目標にしない
- なぜオウンドメディアに動画がいいのか
- 情緒的な表現に、テキストより深みが出る
- 短時間で豊富な情報が伝えられる
- SNSでの拡散との親和性が高い
- 動画を活用したオウンドメディアコンテンツのポイント
- 基礎編
- KPI設定で確認しておきたい指標の項目を決めておく
- ペルソナを設定する
- 最後まで見たくなる工夫を凝らす
- 実践編
- How to動画で商品・サービスの魅力を伝える
- 社会問題への意思表示を織り込む
- 企業ブランドメッセージを伝える
- 基礎編
- まとめ
1.オウンドメディアで効果を上げるポイント4つ
そもそもオウンドメディアで効果を上げるために重要なポイントは何なのでしょうか。改めて4つに分けて基本的な考え方を整理していきます。
1-1.運営目的を明確にする
例えば「何のためにやっているのかわからない」、「一つのオウンドメディアで企業ブランディング、採用、マーケティング全てを網羅しようとする」状態は危険です。目的によって記事の中身やサイト導線が変わるので、運営目的を明確にします。
また、目的が不明確だと、経営陣が考えていることと現場メンバーが考えていることにズレが発生することがあります。そのズレが原因で社内協力が得られないこともあるので、運営目的を明確にして認識の齟齬がないようにしましょう。
1-2.PVを重視しすぎない
PVを増やすことが目的になってしまうと「最終的な成果を忘れてひたすらPVを増やす記事を書いてしまう」という事態に陥ってしまいます。手段の目的化とならないように、適切なKPIを設定しましょう。
1-3.編集体制を整える
方針・方向性を決める編集長が不在だとオウンドメディアは成功しません。主体となって取り仕切る編集長の存在は不可欠です。
また、記事のネタ探しや社内ライターのアサインなど社内協力が必要です。運営目的やなぜ取り組む必要があるのかなど、社員への周知も編集長の重要な役割です。
1-4.記事をアップすることを目標にしない
たとえ一生懸命記事を書いていたとしても、残念ながら質の低い記事をアップし続けていては、オウンドメディアの評価を下げるどころか、成果も出てきません。
記事の質が良くないと感じる時には、外部のライターに委託することも検討することがあると思います。外部に委託するときには、過去の記事や動画を見て得意分野を把握しましょう。そして記事や動画が良さそうであれば、コンテンツを作成してもらい、求めている品質とマッチするか判断しましょう。
2.なぜオウンドメディアに動画がいいのか
オウンドメディアで効果を上げるポイントについて、基本的な考え方が整理できたと思います。ここからは、オウンドメディアにとって、なぜ動画を活用すると良くなるのか解説していきます。
2-1.情緒的な表現に、テキストより深みが出る
オウンドメディアで伝えられる内容で、最も多いコンテンツは企業ブランドストーリーです。社員の働く想いや、商品開発ストーリーなどを表現する場合には、映像と音声にのせて彼らの熱量を伝えることができます。
商品開発における苦労を乗り越え、商品・サービスを使用してくれる人の役に立つために戦った社員の方々を取り上げ、カメラに想いを語ってもらうだけで十分に臨場感を伝えられます。
2-2.短時間で豊富な情報が伝えられる
動きのある映像と音声の両方から訴求ができるため、記事では伝えきれなかった、商品・サービス使用時の課題解決のシチュエーションなどを盛り込んだ情報を伝えられます。
そのため、テキストのみの時よりも短時間でより多くの情報を伝えることで、視聴者の印象に残りやすくなるのです。
2-3.SNSでの拡散との親和性が高い
オウンドメディアの集客に最も時間や労力を割いているものはSNSでしょう。
ブランドのストーリーを伝えることが多い動画であればコンテンツに対する親近感が湧きやすく、分散化傾向にあるユーザーがコンテンツを拡散する可能性が高くなります。
3.動画を活用したオウンドメディアコンテンツのポイント
では、実際に動画を活用する際に、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。基礎編と実践編に分けて解説していきます。
3-1.基礎編
3-1-1.KPI設定で確認しておきたい指標の項目を決めておく
質の高いコンテンツをたくさん発信していることが、動画を活用したオウンドメディア必要になります。そのため、短期間で諦めることなく、中長期的な視点で目標を定める意識をもつという前提が必要になります。
例えば、マーケティングであればお問い合わせ数・資料ダウンロード数など、採用であれば応募数、ブランディングであれば新規訪問数・リピート訪問数などをKPIに設定するといいでしょう。
他にも、チェックする方法は下記にもあります。
- PV数
- 訪問数
- ユニークユーザー数
- 1ユーザーあたりの平均PV
- 新規ユーザー/リピーターの割合
- 流入経路
- コンバージョン数
3-1-2.ペルソナを設定する
具体的にコンテンツを見てほしい人を明確にイメージすることが大切です。
その人がどんな動画を見たいのか、何を知りたいのかを想像し、イメージに近い人に直接会うことができるのであれば「どんな情報を知りたいのか」、「何に関心があるのか」を直接ヒアリングすると、より具体的な課題解決の情報提供ができるでしょう。
コンテンツを見て欲しいターゲットに直接、今抱えている課題や欲しい情報を聞くことは非常に大切ですね!
3-1-3.最後まで見たくなる工夫を凝らす
動画コンテンツがオウンドメディアに有効であることは確かですが、4Gの時代ですでに視聴者はさまざまな媒体を通して動画に視聴慣れしてしまっています。
冒頭で情報を詰め込むのではなく、ストーリー性のあるドラマ仕立ての展開にしたり、ドキュメンタリーのような展開にしたりして、最後が気になるような演出を行うといいでしょう。
あるいは、社長や経営陣が事業についての想いを発信するのであれば、インタビューや対談形式で意見や想いを語ってもらえば、視聴者が最後まで見たくなる動画にできます。
3-2.実践編
3-2-1.How to動画で商品・サービスの魅力を伝える
カインズ
https://www.cainz.co.jp/cainz_diystyle/
正しい作業の方法や、DIYの工程などはテキストで伝えるだけでは誤ったやり方を認識してしまう恐れがあります。しかし動画を見せることで、視聴者は正しく作業を理解できます。
さまざまなDIYに関するわかりやすいHow toをアップすることで、視聴者からDIYに対する苦手意識のハードルを下げることができます。それによりDIY人口を増やし、工具や資材などをカインズで工具などを購入してくれるお客さまを増やす目的があります。
カインズが提案するDIYは「ライフスタイルを自分で創ること」です。毎日の暮らしに、自分好みの工夫や便利さをプラスすることを大切にしています。
そこで、「日々のちょっとした困りごとはDIYで解決できるんだ」という発見があるように、自分で創る楽しみが感じられるよう動画レシピを掲載しています。
特に初心者でも気軽にチャレンジできるDIYのレシピやアイディアを、カインズが提案するスタイルかつカインズに行けば全てそろう工具で、家具などを作り上げています。
3-2-2.社会問題への意思表示を織り込む
ユニリーバ
https://www.dove.com/jp/stories/campaigns/real-beauty-id.html
ユニリーバのDoveは「Real Beauty」というブランドのコアバリューを伝えるため、特にファンユーザーに向けてキャンペーンとしてのオウンドメディアを随時運営しています。
2017年に実施した女子高生に向けてのアンケートでは、日本の女子高生の7%しか自分の容姿に自信を持っていると回答しませんでした。
そこで制作したウェブ動画「リアルビューティーID」(2018年)は、女子高校生の学生証の写真を題材にし、「自己肯定感」についての課題に対し「もっと自分の容姿に自信を持とう」という意志を表明したものになっています。この動画は、すでに300万回近く視聴されています。
パンパース
https://www.jp.pampers.com/newborn/tips/article/moms-1st-birthday-message-page
パンパースは、妊娠がわかった母親向けに、妊娠〜赤ちゃんのおむつが外れるまでのお役立ちガイドとして、オウンドメディアを活用しています。
子育てにおけるワンオペが社会問題化する中、パンパースとして、ママを応援したいというブランドメッセージを伝えるために動画を活用しました。
「赤ちゃんが1歳になった時は、ママとしての1歳でもある」というコンセプトでパパがお祝いをしてあげる、という内容の動画を作成しています。なんと660万回以上再生され、多くの共感を得た動画です。
3-2-3.企業メッセージを伝える
トヨタ
「今の時代、メディアに頼らずとも、ネットなどを通じて、直接ステークホルダーにメッセージを届けることができる。であれば、企業(ブランド)がメディア化し、コンテンツを作り、直接発信していこう」。
上記の社長の発言のもと、社内報を解消する形で2019年2月から始まったのがトヨタイムズです。編集者全員がGoProをもち取材をしていることが大きな特徴です。
記者はとにかく分かりやすく、受け手が「面白そうだな」と思えるコンテンツにすることに全精力を注いでいます。その背景には「企業が発信したい情報ではなく、情報の受け手が喜んで消費したいと思うコンテンツでなければ受け入れてもらえない」という気づきがあります。その考え方が功を奏し、テレビCMは第49回フジサンケイグループ広告大賞、「トヨタイムズ」が最高賞を受賞しました。
例えば、「ノーベル化学賞・吉野彰×豊田章男 ~未来をつかむ思考~ 前編」(https://toyotatimes.jp/feature/024.html)では二人の対談をベースに今後の日本経済・トヨタをのあり方について発信しています。
動画の中では、吉野さんから豊田社長へトヨタイムズのことを質問するなど、お互いの考えをインタビューしあっています。本来の目的であるトヨタグループ社員へのトヨタ情報の発信のみならず、世間に対して日本経済・トヨタの今後の成長展望について熱く両者が語っています。
社長自らが言葉を発して伝えることによって、属人的に企業の目指す将来像がイメージできるので、視聴者がトヨタに対して親近感・共感を持ちやすくなるような狙いがあります。
4.まとめ
オウンドメディアに動画コンテンツを取り入れることで、テキストよりも発信するコンテンツの内容がよりわかりやすく伝わります。その上、より視聴者からの親近感や共感を得やすくなるという効果もあります。
今回ご紹介したように、オウンドメディアの方向性と目的によって、さまざまな動画の活用方法があり、それぞれメディアとしての良さを引き出しています。
オウンドメディアを運営されている方も、今後運営を検討されている方も、是非動画を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
CACTASではVIDEO CROWDでオウンドメディアや、動画オウンドメディアとしてYouTubeチャンネルのコンテンツ制作実績が多数ございます。
制作にかかる予算や期間、動画×オウンドメディアを運営する上でのお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。