ディレクター 荻田
ディレクター 荻田

この記事を読むことで、

・ブランド形成に動画を活用する方法
・実際の動画活用事例(NIKEのケース)

が分かります!

昨今、通信技術とデバイスの発達により動画は生活者の身近なものになり、マーケティングにおいても動画の活用は不可欠なものになっています。

中でもNIKEはブランドアイデンティティと連動した動画活用が非常に上手く、「JASARI」(恐れを知らないというメッセージで子供の冒険心をコアメッセージにしたキャンペーン)や
「NikeCosplay」(秋葉原発、コスプレ集団がスーツの人を追い剥ぎした後、NIKEのシューズを渡すとスーツの人はにっこり…というバイラルコンテンツ)といった革新的なプロモーションを実施し、何度も社会にムーブメントを起こしてきました。

今回はそんなNIKEの動画活用事例について解説します。

  1. NIKEについて
    1. NIKEのアイデンティティについて
    2. NIKEはどう動画を使っているのか?
  2. NIKEの広告事例
    1. 表現力の豊かさと夢見る少年達への応援メッセージ/The Switch
    2. NIKEだからアピールできるスポーツ選手への思い/Take It To The Next Level
    3. 社会問題への提言/Colin Kaepernick JUST DO IT Nike Commercial 2018
  3. まとめ

1.NIKEについて

1-1.NIKEのアイデンティティについて

NIKEは「スポーツ選手によるスポーツ選手のための企業」と自社の存在価値を定め、「最高のスポーツ価値の創造」「芸術としてのスポーツの蘇生」「スポーツ選手に対する尊敬心」の追及を企業活動の目的としています。

また、スポーツへの支援活動と製品展開を通じて消費者に対して
「保守的社会への対抗心」「新たな自分の解放」という約束を守り続けています。

これがNIKEのブランドアイデンティティであり、アスリートを徹底して支援する戦略を貫き、NIKEのシューズを着用したアスリートがオリンピックやワールドカップで大活躍することでこれらの約束を消費者に提供し、消費者に熱狂と夢を提供し続けています。

1-2.NIKEはどう動画を使っているのか?

NIKEは動画広告を単なる商品の認知としてだけではなく、主に企業のブランドの形成に寄与するコンテンツの発信手段として使用しており、他のスポーツブランドには見られない特徴があります。

政治的なテーマを扱う
NIKEは動画で政治的なテーマを扱うことで、社会的にブランドを通じて影響を与えるケースが多いです。

例えば2018年のキャンペーンでは「何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にしても(Believe in something. Even if it means sacrificing everything.)」のメッセージと共にNFLの試合前の国歌斉唱中に黒人に対する人種差別や不当行為に抗議する意味で片膝をつき、起立することを拒否した1人目の元NFL選手コリン・キャパニックを起用しました。

このキャンペーンでは、キャパニックの行動を国家と国旗への侮辱とした人々がNIKEの靴を燃やす運動を行い、トランプ大統領までもがNIKEを批判しました。

ですが結果、NIKEは一時株価が大きく下がったものの24時間で4300万ドル(約47億5000万円)相当のメディア露出価値という驚くべきエンゲージメントを生み出し、直後オンラインで驚異的な売り上げを記録しています。 

視聴した人が勇気をもらえる/やる気の出るような構成・シナリオ展開
NIKEの動画広告は、女性をピックアップしたもの、80歳のおじいさんを主人公にしたもの、太った男性をメインに立たせたものなど、あらゆる人がスポーツを通じて、現状の打破や成長をメッセージとして打ち出しています。

そして、そのメッセージに負けないアスリートたちの姿を見せることで、より印象に残る動画になっています。

トップアスリートを高頻度でキャスティング
NIKEは動画広告の特徴として、クリスティアーノ・ロナウド/ネイマール/レブロン・ジェームズ/カイリー・アービング/ポール・ジョージ/ラファエル・ナダル/大坂なおみ
など、数多くのトップアスリートを高頻度でキャスティングしています。

そして、映像の中でアスリートをアスリートたらしめるスポーツの部分だけではなく、1人の人間として映すようなストーリーを頻繁に扱っています。

脚光を浴びている彼ら/彼女らのリアルがあるからこそ、動画のメッセージが視聴者の心により響くのではないでしょうか。

2.NIKEの広告事例

2-1.表現力の豊かさと夢見る少年達への応援メッセージ/The Switch

クリスティアーノ・ロナウドを筆頭にイングランド代表FWハリー・ケインやフランス代表FWアントニー・マルシャルなど、NIKEと契約を結んでいる16人スター選手が大集合した映像になっています。

ロナウドと入れ替わった少年、どちらもたゆまぬ努力の結果、同じピッチに立つ事に。
ラストの手を撮るシーンにはグッときます。

2-2.NIKEだからアピールできる表現とスポーツ選手を夢見る少年達への思い/Take It To The Next Level

前編視聴者の主観視点で映像が繰り広げられ、スポーツ選手の栄光、苦労や苦悩を描いた作品です。

この映像もイブラヒモビッチやマテラッツィなど有名選手を多く起用しておりますが、「努力を止めるな、次のステージへ行け」というメッセージを、非常に自分ゴトとして捉えやすい映像に仕上がっています。

2-3.社会問題への提言/Colin Kaepernick JUST DO IT Nike Commercial 2018

冒頭でも紹介した、コリン・キャパニックを起用した動画広告です。

黒人スポーツ選手を支え続けたNIKEだからこそ社会的逆境を乗り越え一大プロモーションへ成功したと言えます。

動画内にはバスケット界の伝説、レブロンジェームズも登場しています。

3.まとめ

いかがでしたしょうか。

スポーツ選手とスポーツを愛する全ての人々に対する「約束」を貫いてきたからこそ、社会的に騒動が起きても支持されるのがNIKEだと言えます。

また、NIKEの動画広告は制作単価が高額なものが多いですが、
ただ豪華なのではなく各動画に対して伝えたいメッセージを的確に伝えるシナリオライティングがなされています。

是非企業PRなど検討されている企業様も制作時の参考にしてみてください。

ディレクター 荻田
ディレクター 荻田

株式会社CACTASでは、プロモーション動画も多くの制作実績がございます。
気になる方は是非一度お問い合わせください。