SaaS企業にとって、「サービスの拡張」や「顧客の増加」による「CS(カスタマーサクセス)の業務量の増加」は深刻な課題です。多くの企業が、様々な工夫を凝らして、CS業務の効率化に取り組んでいます。
そうした状況の中、「動画」を活用したCS業務の効率化(特にオンボーディングの領域において)に注目が集まり始めています。
今回は、「なぜ『動画』がCSの効率化に有効なのか?」を具体的な活用例を交えて解説していきます。
CS業務の各領域の中でも、
「オンボーディング」✖️「動画」の相性は抜群です。
この記事を読むことで、
・CS業務におけるオンボーディングとは何か?
・オンボーディングを効率化するために、どのように動画を活用するべきか?
が分かります!
目次
1.CSにおけるオンボーディングとは
1-1.オンボーディングとは?
オンボーディングとは、本来は新人研修を示す言葉で、配属部署に定着するよう手引きするプロセスの事を言います。
そこから、「サービスの初回利用者に『このまま使い続けたい!』と思ってもらえる”体験”を提供すること」をオンボーディングと呼ぶようになりました。
オンボーディングとは、「モノゴトの定着を目指すための仕組みやプロセス」のことを言います。
1-2.オンボーディングの手法と考え方
オンボーディングという顧客へのアプローチ法は、売上規模によって下記の3つに分けられます。
・ハイタッチ
・ロータッチ
・テックタッチ
▼ハイタッチ
ハイタッチとは、ロイヤルクライアント(企業において売上規模の非常に高いクライアント)に対して行うサポートの事を指します。
Saasの導入には様々なハードルがあります。
・以前までのやり方に慣れている人からの抵抗感
・導入してから使いこなせるようになるまでの学習コスト
etc… です。
ハイタッチでは、これらのハードルを解消し、クライアントに「サービスを導入してよかった」と思ってもらうことを目指します。
具体的なアクション例としては
・訪問での導入支援
・導入前後の定例会議
・社内勉強会
などが挙げられます。
▼ロータッチ
ロータッチとは、ロイヤルクライアントほど売上金額が高くはないユーザーに行うサポートです。
ロータッチ客はハイタッチ客よりも1社単位の売上金額は小さいですが、顧客数はハイタッチ客より多い傾向にあることを考えると、ケアをおろそかにしてはいけません。
具体的なアクション例としては
・ユーザーを集めてのワークショップ
・他社での活用事例を伝えるといった社外勉強会の開催
などが挙げられます。
▼テックタッチ
テックタッチとは、1番ボトムに設定をしておく基本のアプローチで、ハイタッチ客からロータッチ客、個人のクライアントまでをカバーします。
「問い合わせをしなくても自分たちで問題解決ができる」という体験を提供することで、クライアントに対して「わかりやすい」「使いやすい」という印象を与えることが目的です。
具体的なアクション例としては、
・動画などで使い方を伝える
・サービスそのものにチュートリアルを準備する
・オンラインでのコミュニティを作る
などが挙げられます。
2.各手法に合わせた動画活用でオンボーディングは効率化できる
2-1.ハイタッチでの活用事例
ハイタッチの施策は対応企業数が少ない代わりに工数/人件費がかかりがちです。
某SaaS企業では、大手企業へのハイタッチ施策として、
・責任者とのキックオフ→全社への勉強会→学習状況の確認とフォローアップ勉強会の開催
を行う方向で検討していました。
ですが、数千人いる全従業員に対する勉強会となると膨大な回数実施する事になるので、実施内容を下記に変更しました。
・責任者とのキックオフ→現場マネージャーに対して全10回の勉強会→従業員へ学習動画の配布とツールによる進捗確認→数ヶ月に一度の進捗確認
結果、動画を使って全従業員にくまなくサービス仕様を学習してもらった事で、工数の大幅削減に成功しました。
2-2.ロータッチでの活用事例
ハンドメイドの初心者から上級者まで楽しめる、手づくりブランド『Couturier クチュリエ』のショッピングサイトではユーザーに向けてワークショップ「みんなでクチュリエ」を開催しています。
そのワークショップの様子を動画化し配信する事で参加できなかったユーザーに対してもワークショップ自体の存在と雰囲気をつたえ、参加意欲を向上させています。
2-3.テックタッチでの活用事例
テックタッチの施策は動画と非常に相性がいいです。
導入初期の簡単な疑問やそもそものできることを動画にしてLPに記載したり、メールでお知らせしたりする事によって、少ない工数で多くのクライアントに対して効果を発揮できます。
例えばジャパンネット銀行は、インターネット取引の取引画面を操作ごとにPC/スマホで動画化しており、やりたい事に対して動画を一つ確認するだけで操作を確認することが可能です。
3.まとめ
オンボーディングを動画化することでサービス導入時の不安や抵抗感が軽減された事例はたくさんあります。
自社の現状の課題は今回解説した3つのうちどこにあるのかを考え、課題が見えてきた場合は、ぜひ動画の導入を検討してみてください。
株式会社CACTASでは、CS向けのコンテンツ制作に特化したサービスも展開しております。
ご興味がありましたら是非一度お声がけください。